ブーケガルニ
ブーケガルニとはフランス語で「香草の束」という意味を指す、ミックススパイスのひとつです。タイムやパセリ、セロリやローリエなど数種類の生のハーブを束ね、たこ糸で縛って作ります。乾燥させたスパイスを使用する場合は、袋詰めにします。
用途としてスープのストックや煮込み料理の風味付けには欠かせませんし、肉や魚などの臭み消しとしても一役買っています。もちろんカレーに入れてもグーです。
一般的には食用として利用されるブーケガルニですが、もともとハーブは香りの良さを活かしてポプリにしたり、フレッシュな場合は葉っぱの緑を楽しんだりもします。そのためブーケガルニもテーブルに飾ったり、プレゼントとして人に渡したりして楽しむこともあるようです。
ディル
ディルは細くて繊細な葉や茎が特徴のセリ科の植物です。地中海地方を原産とし、主にドイツやイギリスで生産されています。
語源をさかのぼると「穏やか、なだめる」という意味のノルウェー語「dilia」に由来しており、その名の通り幸運をもたらす植物と考えられており、女の呪いから実を守るお守りとして使用されていたというエピソードも残っています。
ディルの葉には爽やかな清涼感があり、種子には舌がピリッとするような辛みがあります。
料理にはピクルスやサラダ、スープに使用されるほか、魚との相性がいいため、マリネや焼き魚にも重宝されています。またパンやクッキーなどの焼き菓子の生地に混ぜ込んでも風味が効いて美味しさがアップするのでお勧めです。
ディルには神経を落ち着けたり消化を助ける鎮静作用があります。そのためお茶にして夜泣きをする赤ちゃんに飲ませたり、心身ともに弱っている入院患者にディルの入った飲み物を出すこともあるそうです。
ポメグラネート
ポメグラネードは日本でザクロと呼ばれる、亜熱帯地方を原産とするザクロ科の落葉樹です。オレンジがかった赤い実が美しく、鑑賞用として昔から人々に愛されてきました。
種類によって酸味が強いものや甘みの強いものがありますが、ほのかに甘酸っぱい外種皮はすりつぶしてチャツネやカレーに酸味料として使用されています。もちろん生食でもいけますし、ジュースの原料や、シュガーシロップにザクロの風味をつけたグレナデンシロップはカクテルに欠かせません。また、種子は中近東やイランでサラダの付け合せやデザートにも用いられています。
ザクロはクエン酸やカリウムなど、ミネラルやビタミンが豊富です。また女性特有のホルモンであるエストロゲンが種子の部分に含まれていて、美容や更年期障害に効果があるといわれています。ただし女性ホルモンにまつわる疾患を患う可能性のある方は、採りすぎると乳ガンや子宮ガン発症につながることもあるため注意しましょう。
ミント
ミントはシソ科ハッカ属の多年草で、名前の由来はギリシャ神話に出てくる妖精ミンテから来ています。原産地は地中海沿岸で、主な産地はアメリカやイギリス、フランスなどです。
ミントにはペパーミント、スペアミント、和種のクールミントの3種類があります。
ペパーミントはスカッとした清涼感があり、葉が丸いという特徴があります。またクールミントはペパーミントと同様メントールの含有量が多く、清涼感のある強い香りが特徴です。これらはチョコレートやフルーツパイ、キャンディなど甘い菓子類と相性がいいほか、歯磨き粉の原料として使用されていることも有名です。
スペアミントはペパーミントほど香りが強くなく、甘い香りがあります。羊や鴨など癖のある肉料理、またトマトやナスなど夏野菜を使った料理に最適です。
ミントは吐き気や消化不良の症状、気管支炎などに効き目があり、医薬品の材料として使用されています。またアロマオイルやハーブティーにして、不眠症や神経症の解消に役立てることもあります。
レモングラス
原産地は熱帯アジアで、現在はアフリカ・南アメリカ・オーストラリアなどでも生産されています。イネ科、オガルカヤ属に属する多年生のハーブで、見た目はススキのように背が高く、ねぎにも似ています。シトラールという成分が含まれており、レモンのような香りや風味があるのが特徴です。生のまま使用してもいいですし、乾燥させてパウダー状になったものがビンに入って売られていたりします。
葉をそのまま利用する場合は、みじん切りにして肉料理にまぶしたり、魚と一緒にアルミに包んでホイル焼きにすると風味づけになります。スープやカレーなどに使用する時はパウダーを他のスパイスや調味料と合わせて入れます。また、レモングラスは主にタイ料理やエスニック料理に欠かせないスパイスです。タイの代表的な料理、トム・ヤム・クンには葉を薄くスライスし、スープを煮出すのに使用したりします。
さっぱりしているため、特に鶏肉や魚、シーフードとの相性がいいのです。
気になる効能ですが、解熱や体を温めて発汗を作用があるため、風邪や頭痛、ストレスを解消したい時などにおススメです。