スパイスの香りの元

スパイスの多くはそれぞれ特徴的な芳香を持ち、香り付けや風味づけに利用されていますね。この香りの元は、スパイスが持っている揮発性の精油成分にあるのです。

精油は通常スパイスの中に数パーセントという少ない割合で含まれており、数種類の成分が一緒に組み合わされて香りが作られています。精油の含有量や成分の種類が多いほど、芳香も強く複雑になっていくのです。

また精油は英語でエッセンシャルオイルとも呼ばれており、こちらの呼び名はアロマテラピーとしてよく耳にすることがあるのではないでしょうか。スパイスは食用の香りづけに利用されるだけでなく、マッサージオイルとして身体に塗布したりお風呂に数滴落としてアロマバスに使用されたりもします。

料理にしてもアロマテラピーにしても、スパイスの精油には1日の疲れを吹き飛ばしてくれる力があるということですね。

ジャマイカのカレー

貿易がさかんで殖民地にされた経験もあるジャマイカには、多国籍の料理が数多く存在しています。その中にはもちろんカレーも含まれていました。

ジャマイカの人々はカレーをカレードチキンと呼んでいます。その名の通り、鶏肉を使ったカレーがジャマイカでは一般的なのです。インドから伝わった食文化がそのまま定着したらしく、見た目も味も私たちが知っているカレーそのもの。ただスパイスを自ら調合する習慣はあまりなく、あらかじめブレンドされた市販のスパイスを使用するのだといいます。

またカレーとは呼べませんが、スパイスを使ったチキン、ジャークチキンはジャマイカで最もポピュラーな料理です。屋台でよく見かけるバーベキュー料理のひとつで、ガーリック、オニオン、タイムなどのスパイスが使用されたスパイシーな味が人気となっています。

カレーとスプーン

インドでは手をそのまま使ってカレーとご飯をすくって食べますが、日本ではスプーンを使って食べるのが一般的です。普段はスプーンにこだわることはあまりないと思いますが、カレーを食べやすいスプーンの条件とうものがあるのでご紹介しましょう。

まず、スプーンの素材はステンレス製が軽くて持ちやすいという特徴があります。ステンレスは熱を通しやすいため、適度に温まったスプーンでカレーを口に入れるので違和感もありません。銀製のものは重くてやや持ちづらいですが、レストランでカレーを食べるときや高級感を演出したいときにはこちらのほうが活躍してくれるでしょう。
また最近では木製のスプーンも登場し、スプーンを口に入れたときの優しい感触や、インテリア食器として見た目にも嬉しいという特徴が人気です。

次に形です。カレーを食べるとき、つい口の周りにカレーがついてしまうことがありますよね。これを防止するために、先の部分がやや細くなったカレー専用タイプのスプーンが出ています。またお皿のふちにスプーンをひっかけておけるように、柄の先端がストッパーになっているものもあります。

このようにカレーの食べやすさを追求するならば、自然とスプーンの形状や材質にも相性のいいものが浮かび上がってくるのです。おもしろいですね。

ちなみに、刑務所ではつい最近までカレーは箸で食べられていましたが、受刑者からの要望や刑務所の運営改善の目的に合わせ、スプーンを食器として使用することが認められるようになったそうです。やはり食べやすさは欠かせない要素なのだなと、ふと感じたニュースでした。

ごはんの美味しさは何で決まる?

カレーライスをはじめ毎日の食卓に欠かせない、日本人の主食ご飯。その美味しさのもとは何なのでしょうか。

ご飯には食味官能評価というものがあり、外観・香り・味・粘り・硬さの5つで美味しさを評価します。中でも私たちがご飯を食べたとき特に美味しさの基準としているのは、弾力や甘みだと考えられています。

米のデンプンはアミロースとアミロペクチンという2種類の成分からできており、弾力はこの2つの比率によって変わってきます。両者の比はうるち米で20:80、もち米では0:100です。これを見ても分かる通り、アミロースの含有量が少なく、アミロペクチンが多い米ほど粘り気があり、もちもちした食感になります。これが弾力です。

また、甘みの根源は炊飯の最中にデンプンが酵素に分解される過程で出てくる糖です。一般的に活性酵素の働きが強いほどデンプンをよく分解するので、甘みのあるご飯になるといわれています。

ちなみに炊き立てのご飯のあのふんわりしたいい香りは、炊飯中にアミノ酸と糖が反応して生成される、カルボニル化合物と呼ばれる成分によるものです。このカルボニル反応では100~1000種類もの成分が生まれ、これらがお互いに合わさって複雑な香りを作り出しているということです。

サウジアラビアのカレー

サウジアラビアではルビエという、日本でいえばハヤシライスに似たエスニック料理があります。本来中東地域の食文化にとってスープ料理や煮込み料理はなじみの薄い存在であるため、現地ではルビエがカレーだと認識されているわけではありません。しかし見た目がカレーに似ていたり、スパイスを使用していることから、日本ではサウジアラビア風カレーと考えてもいいのでは、という見方もあるのです。

ルビエはひよこ豆やインゲン豆に黒胡椒、オリーブオイル、レモン汁、スパイスを加え、トマトをすりつぶして作ったソースでぐつぐつ煮込みます。カレーと比べると辛さよりも酸味が強く、口当たりがさっぱりしているのが特徴です。ライスのほか、ピタパン、肉や野菜をパイ生地で包んだ揚げ春巻きのようなものなどが付け合わせとなって一緒に出されます。春巻きと一緒に食べるカレーとは一体どんな感じなのでしょう。この辺りが日本にはない、サウジアラビアならではの食文化ですね。

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