カレーとじゃがいも
カレーに入れる野菜といえば、人参・玉ねぎ・ジャガイモですね。この3つは一部でカレー3種の神器と呼ばれるほどの定番材料です。
じゃがいもの原産地は南アメリカのアンデス山脈の高地で、16世紀末にスペイン人がヨーロッパに持ち帰り広まっていったのだといわれています。日本へは1600年頃の慶弔年間に長崎に伝来しました。インドネシアのジャカルタ(=ジャガタラ)を拠点としていたオランダ人が持ち込んだため、ジャガタラいも→ジャガイモと名前が変遷してきたのだそうです。日本では馬鈴薯とも呼ばれていますね。
世界の主な産地は中国、ロシアやインド、そして日本の主な産地は北海道や九州となっています。
じゃがいもにはいくつか品種がありますが、よく使われるのは段爵薯とメークインです。男爵薯は食感がホクホクしてポテトサラダやコロッケにピッタリですが、煮崩れしやすいのが難点。そのためカレーにはねばりねがあり、荷崩れしないメークインのほうが適しています。
しかしじゃがいもがカレーに溶け込むと甘みやとろみが加わって、舌触りや味がマイルドになりますから、これを好むのであればあえて男爵薯を使ってみてもいいですね!
じゃがいもは常温で長持ちしますが、暗くて温度の高い場所は保存に適しません。
みそ汁や肉じゃが、ポテトサラダやオムレツなど、1日の食事のうち1回はじゃがいもを使った料理が食卓に出てくるほどではないでしょうか。
ラムとマトン
ラムは生後1年未満の子羊のことをいい、臭みは少なく赤味が濃いのが特徴です。一方マトンは生後1歳以上の羊のことで、脂身に独特の臭みがあるため、料理に使用するときはこの部分を取り除いて使用します。
羊肉は日本では豚肉や牛肉と比べると消費が少ないですが、オーストラリアやニュージーランドでは代表的な食用肉です。またフランス料理やイタリア料理では高級な肉として認知され、欠かせない食材となっています。日本で羊肉を使った料理で有名なのは、やはり北海道を中心に盛んなジンギスカンです。他にはスペアリブの香草焼きとして調理されています。
羊肉で注目すべきはその栄養価。ビタミンやミネラルがバランスよく含まれているため健康にいいのです。また他の食用肉と比べると低脂肪でコレステロールが少なく、さらにカルニチンと呼ばれる脂肪を燃焼させる働きを持つ物質が含まれているということで、ヘルシーな美容食としても注目を集めています。
カレーに使用するなら歯ごたえが柔らかい足の部位がお勧め。臭みが気になるかと思いますが、心配はいりません。カレーはスパイスをたくさん使用しているので、しばらく煮込めば臭いも気にならなくなるのです。まだラムやマトンを食べたことがない方は、まずカレーでトライしてみるといいかもしれませんね。
ナス
ナスはインドを原産とする野菜で、世界中で様々な品種が栽培されています。特にインド周辺や中国、東南アジアで種類が豊富。日本でポピュラーなのは寒冷地でも温暖地でも栽培可能な紫色の長卵形ナスで、山形や秋田・京都では丸ナス、西日本では長ナスが多く出回っています。
ナスは90%以上が水分で、カリウムとビタミンCが少々含まれています。低カロリーで油との相性がいいのも特徴です。また体の熱をとる効果があるため、高血圧の方にお勧めの食材。「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざがありますが、これは秋の美味しいナスを食べ過ぎて体が冷えると妊娠しにくくなるかもしれない、という嫁の体を案じる気持ちが込められているのです。ちなみにナスの紫色の正体は、ナスニンというポリフェノールの一種。ガンや動脈硬化の予防に効果があるといわれています。
新鮮なナスを選ぶには、身がずっしりつまっていてつややかな紫色かどうか、ヘタの部分がみずみずしいかどうかを見てみましょう。煮浸し、焼きナス、天ぷらなどの揚げ物、様々な方法で調理することができます。カレーにナスを入れる場合は、油でさっと揚げるか炒めると、香ばしさがアップして風味のいいカレーに仕上がるのでお勧めです。
アサリ
毎日の食卓に欠かせない味噌汁の具でお馴染みのアサリ。実はカレーにもよく使用されているのです。
アサリは日本や台湾、フィリピンなどの内湾の干潟に多く分布します。日本では東京湾や有明海が主な産地です。旬の時期は春や秋。産卵期の1ヶ月ほど前は身がぎっしり詰まっているためとても美味です。逆に産卵が終わった冬は身が痩せてしまうので、美味しさが半減してしまいます。
アサリを調理するときは、まず事前に砂だしを行う必要があります。海水または海水と同程度の濃度の塩水(約3%)につけておくと、簡単に砂を吐き出してくれます。
また加熱の際、火を通しすぎると身が固くなってしまうため、注意が必要。
身が小さいアサリは栄養価値もあまりないように思われがちですが、鉄分やビタミンB1が豊富なため妊婦や貧血気味の人にはもってこいの食材。カルシウムや亜鉛、銅なども多く摂取でき、疲労回復やむくみの改善などに役立ちます。ちなみに旨みの元はコハク酸と呼ばれる成分です。
カレーを作るときは、旨みと栄養がたっぷり詰まった煮汁も是非一緒に加えてみてくださいね。