ほうれん草
ほうれん草はペルシア地方を原産とし、日本では北海道や埼玉、千葉などが主要産地となっています。アクが少なく甘みのある東洋種はおひたしなどさっぱりした料理、肉厚でアクが強い西洋種はバターなどで炒めると美味しく食べられます。また最近は東洋種と西洋種の一台雑種品種として交雑種が開発され、広く親しまれています。
ビタミンAやビタミンCが豊富な緑黄色野菜で、ビタミンB1 ビタミンB2、葉酸なども多く含まれています。ちなみにアクにはカルシウムと結びつくと腎臓で結成を作るシュウ酸が含まれますが、たっぷりのお湯で茹でると溶け出してしまいます。
ほうれん草は鮮やかな緑色がカレーに映えるため、彩りのよさが人気を呼んでいます。またカレーにはスパイスが使われており、ほうれん草特有の味をうまく包み込みながらほのかに風味を残してくれるため、ほうれん草が苦手な方でもカレーなら大丈夫!という話を耳にします。自宅で料理する場合は、生のものをそのまま加えるのではなく、ミキサーにかけてペースト状にしたり炒める・茹でるなどひと手間加えると、アクが抜けたり、味をマイルドに仕上げることができるので、試してみてくださいね。
チキン
チキンは皆さんご存知の通りニワトリ肉のことです。鶏肉というと合鴨や七面鳥などの鳥類を指すこともありますが、一般的には多くの場合ニワトリの肉を指します。
チキンは味が淡白でクセがないため、から揚げやフライドチキンなど様々な料理に使用されています。もちろんたくさん種類のあるカレーの中でも、チキンカレーは人気の高い定番メニューです。
インドでは最もカレーに使う頻度の高い肉はチキンだといわれており、そのためニワトリは紀元前1700頃から飼育されていたといいます。インド地方ではブツ切りにした骨付き肉をそのままじっくり煮込んだカレーがポピュラー。一方ヨーロッパや日本では胸肉やもも肉など柔らかい部位を一口大に切って使用することが多いようです。
チキンの品種には大規模な鶏舎で合理的に生産されるブロイラーと、ブロイラーを飼料などで独自の工夫を加えて育てた銘柄鳥、伝統的な放し飼いで育てた地鶏(比内鶏・名古屋コーチンなど)があります。ブロイラーは脂肪が少なく低下カロリーな点が長所ですし、地鶏はその地方ならではの味や風味を持っているところが魅力。ひとくちに鶏肉といっても、品種を変えると異なった味のカレーを楽しめることができそうですね。
りんご
「1日1個りんごを食べれば医者を遠ざける」ということわざがあるように、りんごはビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富な栄養満天の果物です。
生産量は世界で年間約6千万トン。最も生産量が多い国は中国で、アメリカやフランスもかなりの量を栽培しています。日本有数のりんごの産地といえば青森県ですね。ついで長野、岩手でも栽培がさかんです。
品種も様々で、世界一の生産量を誇るふじ、黄緑色にそばかすのような斑点がついた王林、酸味が強く深い赤色が特徴の紅玉など、それぞれ異なった色や味が楽しめます。
すり下ろしたりんごは、カレーに加えて煮込むとさっぱりした酸味と甘さがまろやかな味になります。そのためこのように隠し味として活用されるほか、りんごに含まれるペクチンという成分は、カレーに加えたときとろみの元となるので、あらかじめカレールーの原料に使用されることもあります。りんごはカレーと相性抜群の果物だといえますね。
中でも酸味の強い紅玉、酸味と甘味のバランスがいいジョナゴールド、甘味と果汁がたっぷり詰まったつがるなどがカレーに向いているということです。
ポーク
ポークとは豚肉のことをいいます。カレーにはポークカレーとしてよく登場しますね。豚肉は最も消費量の多い食肉で、牛肉の約3倍の消費量があるそうです。ちなみにイスラム教では豚は浮上なものとされているため、インドでは食を禁じられています。
豚肉は必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質のタンパク質で、スタミナの元であるビタミンB1はなんと牛肉の10倍も含まれています。他にもビタミンAやビタミE、カリウムやリンなども摂取できる、栄養価の高い食肉です。
豚肉は7つの部位に分けられており、ヒレ、ロース、肩、肩ロース、バラ、もも、そともものとなっています。カレーに使用するなら、厚切りにしたばら肉がお勧めです。脂身と赤身が両方交じり合って層を作っているので、しばらく煮込んでも肉がぱさつくことがないからです。またシチューに使われる角切り肉は、歯ごたえのあるジューシーな肉の食感を楽しみたいときに向いています。
調理上の注意点をあげるなら、煮込むとアクが多く出るため、こまめに取り除くようにするといいでしょう。
ホタテ
ホタテは二枚貝の一種で、殻が開いた状態が船の帆が立っているように見える、ということで帆立と名づけられました。
ホタテはオホーツク海から東北地方にかけ、浅瀬の砂底に生息しています。自然に生息しているもののほか、養殖もさかんに行われています。旬の時期は冬ですが、冷凍製のものであれば一年を通して食べることができます。
真ん中の一番大きな身の部分を貝柱といい、貝柱の回りのヒダ状の部分をヒモといいます。生のまま刺身で食べても美味しいですし、バターと相性がいいのでバター醤油焼きにしたり、シチューや炊き込みご飯の具に使われたりします。
鮮度のいいホタテを見分けるポイントを挙げると、殻にさわると反応してすぐ閉じてしまうものは活きのいい証拠。殻が剥いてある状態なら、色がつややかで身が引き締まっているものが新鮮です。
ホタテをカレーに使う場合は、バターで焼いたホタテとその他の具材に生クリームを加えてホワイトカレーにしたり、海老などの魚介類と一緒にシーフードカレーの具として使用されることが多いようです。
タンパク質やビタミンが豊富で、カルシウムや鉄分などのミネラルも多く含むホタテは、栄養面でも優秀。糖尿病や動脈硬化を防止する働きのある魚介類特有のタウリンも豊富で、海の代表的なヘルシー食材のひとつだと言えるでしょう。