五香粉
中国でも色々な料理にミックススパイスが使われています。それが中国の伝統ある香辛料、五香粉です。
八角(スターアニス)、花椒(サンショウ)、シナモンまたはカシア、クローブ、フェンネルなどの5つの香辛料を混ぜ合わせたものが一般的ですが、カルダモンやドライジンジャー、ナツメグ、胡椒、甘草のうちからスパイスを選ぶこともあります。ちなみに五香=数種という意味ですので、組み合わせの種類や数はこれだけではありません。
本格的な中国料理には、五香粉が隠し味として重宝されています。豚の角煮や鶏のローストといった肉料理のほか、マリネにも少量入れるだけで中華の味を作り出すことができるのです。材料の下味や肉の臭み消しとしても活躍します。
また五香粉と花椒塩と同量ずつブレンドして作る椒塩五香粉は、鶏のから揚げや天ぷらの衣に使用すると風味がアップしておススメですよ。
ココナッツ
ココナッツはマレーシア半島やポリネシアなど熱帯アジアを原産とするヤシ科の単子葉植物で、ココヤシの果実です。歴史が古く、1億年以上も前にはすでに存在していたといいます。
果実は繊維質の厚い殻に覆われ、中には大きな種子があります。種子の内部にはさらに胚乳があり、固形胚乳と液体胚乳に分かれています。この固形胚乳を水と一緒に煮込み、裏ごしして布で絞って得られる甘い液体がココナッツミルクです。タイやマレーシア料理の調味料として頻繁に登場し、ココナッツを使ったココナッツカレーは有名ですね。菓子やパンにトッピングするパウダー(ココナッツファイン)をカレーに振りかけて甘みを加えてもグー。またココナッツジュースやプリン、ココナッツ団子などのアジアンスイーツ
は女性に人気の高いデザートとなっています。
ちなみにコプラというココナッツの胚乳を削って乾燥させて作るココナッツオイルは、マッサージオイルや石鹸の原料として使用されます。また髪の毛に油分を与えるためヘアケアとしても活躍しています。
たまには南国の気分を味わえる甘い果実ココナッツとスパイシー香辛料の組み合わせで、いつもと違う味のカレーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
コルマ
コルマとはパキスタンやアフガニスタンで食べられているカレーのこと。ダリ語(ペルシャ語)でカレー、ウルドゥー語でリッチな、という意味を持っています。鶏肉を使ったチキンコルマが主流ですが、羊肉を使ったマトンコルマ、チーズや野菜を使ったコルマなどもあります。
コルマの特徴にはじっくり炒めてとろみを出した玉ねぎを入れること、そしてカシューナッツや生クリーム、ココナッツミルク、ヨーグルトなどの乳製品を加えること、など様々な見方があるようですが、これらに共通しているのは甘味のあるマイルドな仕上がり、ということでしょうか。辛味が少なく独特の味わいがするため、癖になってしまう人もいるそうです。
お店で食べる場合は、店員さんにお願いすれば辛さを足してもらえることもあります。また食べ方は日本やインドと同様で、ライスやナンと一緒に食べるのが一般的です。
アサフェティダ
日本ではちょっと聞いたことのない名前のスパイスだと思います。アサフェティダはインド北部を原産とするセリ科の植物で、イランやアフガニスタン、パキスタンなどにも分布しています。
スパイスとして使用するのは、根茎から採れる樹脂を乾燥させたもの。そのため語源はペルシャ語で「樹脂」という意味の「アザ」、ラテン語で「臭う」という意味の「フェティダ」
からきているのだといいます。
アサフェティダには硫黄のようなとても強い刺激臭があり、生のままでは悪臭に加えて苦味と辛さがあるため調理には使用されません。しかし、熱を加えるとニンニクや玉ねぎのようなほどよい香りが立ち上がるようになります。
ほんの少量を料理に加えるだけで美味しさが増すため、インドや中東の料理には欠かすことのできない存在です。主に野菜や豆の料理、ピクルスやソースの材料に使われます。また宗教の違いによりばらつきがありますが、肉を焼くときに利用されることもあるそうです。
薬理効果として、けいれん、気管支炎、腹部の張りなどに効き目があります。