キャラウェー

セリ科の二年草で、原産地は西アジアや北・中央ヨーロッパです。現在の主な産地はオランダ、ドイツ、イギリス、イランやインドなどとなっていますが、そのほとんどは特にオランダで生産されているようです。

別名ヒメウイキョウと呼ばれ、見た目がクミンに似ているのでフランスでは牧場のクミンと呼ばれているそうです。歴史の古いスパイスは色々ありますが、キャラウェーにも様々なエピソードが残されています。紀元前1世紀のローマではアピシウスという美食家として有名な人物が著書の中でキャラウェーを使った調理方法を紹介していたり、エジプトの医学書「エーベルスパピウス」では薬効としての記録が書かれていました。

調理に利用するのは種子の部分。やわらかな甘みとほのかな酸味、そして苦味がキャラウェーの特徴です。

パンやケーキ、クッキーなどの甘い食べ物のほか、ソーセージやキャベツ料理、りんごと相性がいいためアップルパイや焼きりんごによく使われます。またキャラウェイといえばキャラウェイチーズが有名で、ハーブならではの風味の豊かさが人気の秘訣のようです。

薬用としては消化の促進や不良予防を助ける効果があり、かぜ薬や胃腸薬にも原料として
使われます。抗菌作用も期待できるため、油っこい料理の後などに摂取すると効果的です。

フェネグリーク

地中海地方やインド、アフリカなど、雨の少ない温暖な場所で栽培されているマメ科の一年草です。60cmほどの高さに淡黄色の花をつけ、20個ほどの種が入ったさやを実らせます。

原産地は西アジアやギリシアで、古代から料理や薬用として使用されていました。エジプトではお香やミイラを作るのにフェネグリークを利用していたそうで、最も古いとされるものがエジプトの古墳で発見されています。

香りの特徴はカラメルのような甘さとセロリに似た苦味。スパイスとして使用されるのは種子の部分ですが、種はそのままでは苦くて食べられないため、ひと手間加えて軽く煎るといいでしょう。

主にインド料理でよく利用され、カレーパウダーの主原料となっています。またパキスタンやアフガニスタンでは調味料のチャツネにも使われています。この他に、エジプトやエチオピアではパンの中に入れたり、ベルベレという香辛料に欠かせない材料となっています。

フェネグリークはタンパク質が多く、ビタミン・ミネラルも豊富に含まれています。また滋養、健胃、などの薬用効果があるとされ、健康志向の方にはもってこいのスパイスだといえますね!

カレーのブルーミング

カレーのルウの表面が時々緑色に見えることはないでしょうか。湿気の時期やしばらく開封していなかったときなど「カビかな?」と心配したことがある方もいらっしゃるかもしれません。

実はこれ、カレーのブルーミングという現象なのです。ブルーミングとは、カレーのルーに含まれているターメリックの色素が油脂分に溶け込んで表面に浮き上がり、固まって緑色に見えることをいいます。夏の暑い時期や温度の高い室内に置いておくと油脂分が溶け、ブルーミングが起こるのですが、特に品質に問題はないので安心してください。シチューやハヤシライスのルーでもブルーミングが起こりますが、ターメリックは含まれていないため浮き上がった油脂分で表面は白っぽくなります。

ちなみにブルームは英語で「果実や葉の蝋粉(ロウ物質)」という意味で、元々はチョコレートでも砂糖の結晶が表面に残るシュガーブルーミングや、カカオバターの結晶が表面に現れるファットブルーミングの用語で使われていました。カレールーに起こる現象も同じような原理によるため、これが次第にカレーのルーにも当てはめて使用されるようになったということです。

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