カレー粉偽造事件

昭和6年、C&Bのカレー粉が偽造されるという事件が起こりました。C&Bのカレー粉をベースにしてそれに唐辛子や陳皮を混ぜてコストの安いカレー粉を製造、それを更にC&Bの空き缶に詰めて売り出したのです。当時は使用されていたカレー粉はほとんどが輸入品、しかも一流店であれば必ずC&Bと相場が決まっていました。この偽造犯らはそこに目をつけ、本家C&Bの半値近くの安い値段をつけて売りさばいたのです。
そんな事がいつまでも続くわけがなく、イギリス大使館から抗議が起こり刑事事件となってしまいました。60名近くのものが新聞紙上に掲載されトップニュース扱いで大々的に報じられたのです。更に、事件の余波で全国の問屋や小売店に在庫していたC&Bカレー粉が真偽の調査のために出荷ストップする事態へと発展してしまったのです。
これだけの大事件となってしまったカレー粉偽造事件。しかし、国産のカレー粉がこの事件をきっかけにして注目されるようになりました。日本でつくるカレー粉も味の面でひけを取らないと認められ始めたためでしょうか。カレー店などでも国産カレー粉の使用頻度が高まり、国産の生産量が増していきます。皮肉なこととなりましたが、この偽造事件は国内カレー粉の普及に一役買ったという結果になったということでしょうか…。

この記事へのコメント

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)