カレーと肉

ちょっと料理が出来る輩がカレーを作ると、高い肉を使ってカレーを作りたがります。しかし、カレーを作るにあたって高い肉を使う必要はありません。高いヒレ肉でも硬いすじ肉でも下ごしらえをしっかりし、弱火で長時間煮込むことにより肉の差異はほとんどなくなります。肉の良し悪しよりも調理法や手間の掛け方、下ごしらえの有無が味を左右するのです。

カレーに入れる肉は質や種類を問わないが、ソーセージ・ハムなどは一般的に適さないとされています。本格カレーを作ってみるとわかるのですが、長時間煮込む過程でつなぎであるでんぷん質が溶けて形がなくなってしまうからです。また、加工肉自体に味がついている物が多いため、カレーの風味を損ねてしまいます。スパイスの調合が命のカレーにとっては、味が変わる原因となってしまうため決して煮込み過ぎないように!他にはシーフードカレーのえびやいかの魚介類も注意しましょう。煮込むことで硬く小さくなってしまいます。

また、地域によって入れる肉の種類も傾向があるようで関西では牛肉派が多いよう。また東京や東日本では豚肉派が強いというデータもあります。

クミン

カレーのスパイスを調合するとき欠かせない主要スパイスのひとつがクミンです。これはエジプト原産のセリ科の一年草で、種子はクミンシードと呼ばれます。私たちが通常クミンと呼ぶのはクミンシードの方で、ほろ苦さと、なんともいえない独特の香りがカレーの風味をキリッと引き立たせてくれます。

クミンはそのままホールで炒めてもいいし、砕いて粉末状にして使う方法もあります。
ホールのまま使う場合は熱した油でクミンをさっと炒めます。しばらくチリチリと炒めたら、焦げないうちに取り出します。こうすることで油に香りが移り、次に材料を炒めたときも香りをつけてくれるのです。
粉末状にして使うときは空炒りしたクミンをすりつぶし、そのままカレーに入れるか他のスパイスと混ぜてオリジナルのスパイスを調合します。ターメリック・コリアンダー・シナモン・ナツメグ・グローブなど、数種類から十数種類のスパイスを好みの配分で混ぜ合わせます。スパイスは色づけ・香り付け・味付けなどそれぞれ効能があるします。

どのくらいの割合で配合するかは野菜か肉かといったカレーの種類やその日の気分によって変えられます。ただこれがなかなか難しい!理想の味を一度で表現するには、経験とカンがものをいいます。スパイスの世界は奥が深いのです。

カレーと福神漬

カレーといえば福神漬がセットとなって出てくるのが定番化しています。それではこの福神漬はいつどのように登場したのでしょうか。これには諸説ありますが日本郵船の一等食堂で始まったという説が有力のようです。当時はカレーの薬味にチェツネを出していたのですが、そのチャツネが切れてしまった際に替わりに福神漬を出したら大好評。以来カレーには福神漬が添えられるようになったという話です。また、ドライカレー風のひき肉カレーにだけ福神漬が添えられていて、以来通常のカレーにも普及していったという説も。

他には帝国ホテルが発祥だという説もあります。福神漬を考案した酒悦の社長は帝国ホテルのレストランの常連でした。そこで帝国ホテルの社長に福神漬とはなラッキョウを薬味として紹介したということです。当時の福神漬はナマタメ、ダイコン、カブラ、ウド、シソ、シイタケを醤油とみりんで甘辛く仕上げたものだったそうで、今だに福神漬というとこの当時のものがベースになっています。

今のところ結局どこが発祥だったのかは曖昧なままですが、カレーのパートナーとして広く浸透している福神漬。福神漬がないカレーは何か物足りない…とまで思わせるほど、カレーに福神漬は私たちの生活に浸透しています。

カレー粉偽造事件

昭和6年、C&Bのカレー粉が偽造されるという事件が起こりました。C&Bのカレー粉をベースにしてそれに唐辛子や陳皮を混ぜてコストの安いカレー粉を製造、それを更にC&Bの空き缶に詰めて売り出したのです。当時は使用されていたカレー粉はほとんどが輸入品、しかも一流店であれば必ずC&Bと相場が決まっていました。この偽造犯らはそこに目をつけ、本家C&Bの半値近くの安い値段をつけて売りさばいたのです。
そんな事がいつまでも続くわけがなく、イギリス大使館から抗議が起こり刑事事件となってしまいました。60名近くのものが新聞紙上に掲載されトップニュース扱いで大々的に報じられたのです。更に、事件の余波で全国の問屋や小売店に在庫していたC&Bカレー粉が真偽の調査のために出荷ストップする事態へと発展してしまったのです。
これだけの大事件となってしまったカレー粉偽造事件。しかし、国産のカレー粉がこの事件をきっかけにして注目されるようになりました。日本でつくるカレー粉も味の面でひけを取らないと認められ始めたためでしょうか。カレー店などでも国産カレー粉の使用頻度が高まり、国産の生産量が増していきます。皮肉なこととなりましたが、この偽造事件は国内カレー粉の普及に一役買ったという結果になったということでしょうか…。

サフランライス

カレーにとても合うサフランライスも、家庭で作ることが出来ます。

【材料】
・白米 250g
・サフラン 小さじ1
・クローブ 6個
・カルダモン 6つ
・シナモンスティック 適量
・塩 少々

1.米をざるに入れ、よく研ぎます。
2.ボウルに米と水700ccをいれ30分おきます。
3.小さめのボウルにサフランをいれお湯を加えて5分間付けておきます。
4.なべに油を熱し、クローブ、カルダモン、シナモンを入れ1分間いためます。
5.水を切った米をいれ、3分程度いためます。
6.米のつけ汁とサフランのつけ汁を米に加え、塩を振ります。
7.人にたちさせてから火を弱め15分ほど煮ます。

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