サフラン
サフランは地中海沿岸や西アジアを原産とするアヤメ科の多年草です。
現在は主にスペインやトルコ、インドで栽培されており、スパイスの中でも最も高価なことで知られています。日本ではなんと宮城県の塩釜市が有名な生産地なのです!ご存知でしたか?
色付けを目的とするスパイスで、使われる部位は花のめしべ。サフランの色素であるクロシンは水溶性ですから、水に溶かすことで鮮やかな黄色を抽出することが出来るのです。
ほろ苦い独特の香りがするため、旧約聖書では「芳香を放つ香辛料」として紹介されています。長時間陽に当てたり空気に触れたままだとすぐ香りが飛んでしまうため、密閉した容器に入れて冷暗所で保存しましょう。
カレーに関するものではご飯をサフランで着色したサフランライスがポピュラーですね。またヨーロッパではブイヤベースやパエリアの色づけになくてはならない存在です。相性のいい食材は米や魚介類のほかにアーモンド、トマト、柑橘類、スパイスではバジル、コリアンダー、シナモン、ローズマリーなどが挙げられます。
サフランの効能は鎮痛、鎮咳、利尿作用など。日本では整理痛や生理不順など、更年期障害など婦人病の特効薬としても処方されています。
カレーのルーとカレーのライス、両方にスパイスを取り入れて、彩どりと健康効果をアップさせましょう。
カレープラント
カレーは様々にブレンドしたスパイスやルウを使って作られます。しかし元々カレーそっくりの香りがするハーブがあるのです。その名をカレープラントといいます。
カレープラントは地中海沿岸を原産とするキク科の多年草の一種です。丸く小さな黄色い花と銀灰色の葉が可憐で、ドライフラワーや切り花などの鑑賞用として人気があります。
名前の由来はもちろん花や葉や茎からカレーの香りがすることにありますが、実はカレー粉の材料には使用されているわけではありません。葉を生のまま食べると胃腸が弱くなってしまうなど、残念ながら直接食用に使うには適さないのです。
その香りの威力を活かし、主にラム肉や魚など臭みのある食材を煮込む場合に消臭効果の意味を込めて利用されるのが一般的です。シチューや蒸した野菜料理などをほのかにカレー風味に仕立てたい時などにも使われます。大量に加えて煮込むと逆にハーブの香りがきつくなってしまったり苦味が出てしまうため、ハーブの1節を料理が完成する直前にさっと入れ、すばやく取り出すのがコツです。
またカレープラントの葉や茎は、火を通すと彩りのよい緑色になるため、料理に添えて鮮やかさをプラスするのに使うのもお勧めです。
サウジアラビアのカレー
サウジアラビアではルビエという、日本でいえばハヤシライスに似たエスニック料理があります。本来中東地域の食文化にとってスープ料理や煮込み料理はなじみの薄い存在であるため、現地ではルビエがカレーだと認識されているわけではありません。しかし見た目がカレーに似ていたり、スパイスを使用していることから、日本ではサウジアラビア風カレーと考えてもいいのでは、という見方もあるのです。
ルビエはひよこ豆やインゲン豆に黒胡椒、オリーブオイル、レモン汁、スパイスを加え、トマトをすりつぶして作ったソースでぐつぐつ煮込みます。カレーと比べると辛さよりも酸味が強く、口当たりがさっぱりしているのが特徴です。ライスのほか、ピタパン、肉や野菜をパイ生地で包んだ揚げ春巻きのようなものなどが付け合わせとなって一緒に出されます。春巻きと一緒に食べるカレーとは一体どんな感じなのでしょう。この辺りが日本にはない、サウジアラビアならではの食文化ですね。
ホタテ
ホタテは二枚貝の一種で、殻が開いた状態が船の帆が立っているように見える、ということで帆立と名づけられました。
ホタテはオホーツク海から東北地方にかけ、浅瀬の砂底に生息しています。自然に生息しているもののほか、養殖もさかんに行われています。旬の時期は冬ですが、冷凍製のものであれば一年を通して食べることができます。
真ん中の一番大きな身の部分を貝柱といい、貝柱の回りのヒダ状の部分をヒモといいます。生のまま刺身で食べても美味しいですし、バターと相性がいいのでバター醤油焼きにしたり、シチューや炊き込みご飯の具に使われたりします。
鮮度のいいホタテを見分けるポイントを挙げると、殻にさわると反応してすぐ閉じてしまうものは活きのいい証拠。殻が剥いてある状態なら、色がつややかで身が引き締まっているものが新鮮です。
ホタテをカレーに使う場合は、バターで焼いたホタテとその他の具材に生クリームを加えてホワイトカレーにしたり、海老などの魚介類と一緒にシーフードカレーの具として使用されることが多いようです。
タンパク質やビタミンが豊富で、カルシウムや鉄分などのミネラルも多く含むホタテは、栄養面でも優秀。糖尿病や動脈硬化を防止する働きのある魚介類特有のタウリンも豊富で、海の代表的なヘルシー食材のひとつだと言えるでしょう。
アチャール
アチャールはカレーの付け合せとしてよくトッピングされるインド風のピクルスです。日本ではご飯のお供に漬物がセットでついてくるように、インドでもアチャールが同じように食卓に欠かせない存在となっています。カレーでいうとらっきょや福神漬けと一緒ですね。
アチャールは野菜や果物を様々なスパイスや酢と一緒にマスタードオイルに漬け込んで作ります。もともとは農作物が不作だったとき、保存食として食べられていたのだそう。
使用される食材は、野菜ですと人参や大根、玉ねぎ、じゃがいも、たけのこ、キャベツ、れんこん、カリフラワーなど。果物だとマンゴー、ライム、レモンなど、ほかにはひよこ豆や梅など、バラエティーに富んだ素材が使われています。
アチャールは酸っぱさと辛さが不思議に交じり合った独特の味わいが特徴ですが、酸味が強いものや辛味が強いものなど色々あります。中でもマンゴーのチャツネは多くの人々から親しまれており、ヒンディー語では辛口にしたものをアームカアチャールと呼び、人気を呼んでいます。